2018/08/02

今さらですが『ジュラシック・パーク』の原作本を読みました




1993年に発行された『ジュラシック・パーク』。著者はマイケル・クライトンです。以前から「原作も良い」と評判を耳にしていました。


上巻がオススメ!


文庫本で上下巻に分かれているのですが、上巻が最高に面白いです。

今の今まで読まないでいたのが悔やまれます。ヤバイ、20世紀損した。そんな気分です。


コスタリカ本土の病院に、噛み傷を負った作業員が運び込まれ、謎の言葉を残し絶命…。

ダラスから家族とバカンスに来ていた女の子が、未知のトカゲに襲われる…。

冒頭から、何か良くないことが起こりそうな予感がつきまとい、嫌~なフラグがバンバン立ちます。

こわい…。

怖いんだけど、ページをめくる手がとまらない。




上巻は、ティラノサウルスが柵を乗り越え人を襲い、ネドリーがディロフォサウルスに喰われるところまで。

下巻はちょっと説教臭くなります。数学者マルカムの「そら見たことか」がウザいんです。

マルカムは著者の代弁をしているんでしょうけど、今大事なのは人間の愚かさや科学者の節操のなさを説くことじゃない。現状直面している命の危機にどう対処すべきか、なんですよ。

映画版マルカムがお気に入りなので、説教を垂れまくる彼にガッカリしました。けが人は黙って寝てろ。

ただ、東日本大震災と福島第一原発の事故を経験した今、マルカムの言葉が重くのしかかるのも事実。

あんたらが使ってきた科学力ってやつの問題点は、その気になりゃ誰でも使えるってことだ。
あんたら、他人の書いた物を読んで、次へ進んだだけだ。
自力で得た知識じゃないから、それに対する責任感もゼロだ。
天才達の肩に乗っかって、何を作っているのか認識もせずに、ただ完成を急いだ。
あとは特許を取って、キレイに包装し、プラスチックの弁当箱にペタンと貼り付けてそれをガンガン売りつけるだけだ。
出来るかどうかと言う事に心を奪われて、すべきかどうかは考えなかった。

映画『ジュラシック・パーク』より

悲しいことに、原作が発表されてから20年以上たっても、人間はまるで進歩していないように思えます…。



原作と映画の違い


大きな違いから細かなものまで、気がついた点を並べてみました。

左:古植物学者のエリー・サトラー
右:ジョン・ハモンド

<登場人物>
・ハモンドがすがすがしい程のクズ
・ティムとレックスの年齢が逆
・ティムは恐竜好き、コンピュータオタク、運動苦手。
・レックスは活発で無邪気な女の子。トリケラトプスの幼体や、ラプトルの幼体と心を通わせる。
・弁護士ジェナーロが結構いいやつ(しかし勇気があるのかないのか、行動に一貫性はない)
・エリーはグラントの恋人ではない。医者の婚約者がいる。
・グラントは奥さんと死別している。
・遺伝学者のウー、恐竜監視員のマルドゥーンは、恐竜の安全性を早くから疑問視し、ハモンドに提言している(が、すべてガン無視される)


アパトサウルス

<恐竜>
・中毒症状を起こしている恐竜がステゴサウルス(映画はトリケラトプス)
・ネドリーを襲ったディロフォサウルスのサイズ(原作は成体、映画は幼体)
・ラプトルめっちゃ繁殖してる(映画は三頭)
・ティラノサウルスは成体と亜成体の二頭いる


ヘンリー・ウー

映画では、前半しか出番のない遺伝学者のヘンリー・ウーや、単なるワルモノだったネドリーですが、原作ではきちんと人物描写がされています。


左:ライバル会社のドジスン
右:ネドリー

原作のネドリーには同情の余地あり。あ、映画版ネドリーも、ラプトルの防御柵だけは通電させておく分別を持ち合わせていましたっけ。

でもグラント博士は圧倒的に映画の方が良い。すごくキャラが立ってます。


グラント博士

恐竜が大好きで、機械が苦手、子どものような心を持っているのに、子どもがニガテ。

原作のグラント博士は、イマイチつかみどころのない人でした。映画版のキャラをイメージして読んでいると、だんだんギャップが大きくなります。


恐竜監視員のマルドゥーン

映画はグラント博士に感情移入してストーリーを追うことができますが、原作は誰が主役ということはなく、「群像劇」のように感じました。

映画版『ジュラシック・パーク』がお好きな方は、これらの違いも楽しんで読めると思いますよ。是非とも原作を手にとってみてください!



おまけ


映画『ジュラシック・パーク』の好きな台詞を並べてみた!


「生命とは決して他に押さえ込まれたりはしない。苦痛を舐め、危険を冒しても自らの領域を広げていく。それが生命というものだ。」

生命は何らかの道を探し出す。

マルカム博士、名台詞多過ぎ~♪あ、映画では「マルコム」でしたね。


「子どもの頃から一番好きだった恐竜だ」

トリケラトプスに抱きついて、感激するグラント博士。

きっと、学者の道を志すキッカケとなった恐竜なんでしょう。すごくほほえましくて、このシーンで一気にグラント博士が好きになりました。


「”カリブの海賊”はたとえ壊れても人間を喰ったりはしないさ」

「多くのテーマパークに遅れは付きものだ」とディズニーランド開業時のトラブルを例に挙げるハモンドに対し、皮肉たっぷりのマルカム博士(笑)


結論。マルカム博士最高^^

本の紹介をしていたはずが、映画のハナシになってしまいました。ごめん遊ばせ。


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応援ありがとうございます♪

6 件のコメント :

  1. おお!こないだからamazonのプライムビデオでシリーズ全作見直してたところです(*^_^*)
    umeさんはハヤカワじゃなくてペーパーバックで読むイメージなので、次はぜひそうしてください。
    道聞かれてもビビらなくなりそうだし(笑)
    1作目マルコム博士ってチャラくて無駄に怪しげなところがずっと気になって見てたけど、単にキャラ設定だったんですよね・・・?この人なんかやらかしそう、と思って見てたんだけどね(笑)

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    1. >ぷしゅ猫さん
      なんですかそのイメージは(^◇^;)
      ペーパーバックなんて無理無理~。ワタシ・エイゴ・ワカリマセ~ン!

      マルカム博士が何かやらかしそう…とは思ったことないですね。ホラーやSFアクションで最後まで生き残る「おちゃらけ黒人」担当だと思ってました(笑)

      全作見直し中だったとは、タイムリーですね!
      見終わったら、どれが一番面白かったか、教えてください^^♪

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  2. いや、全てにおいてソツのないumeさんという印象が強くて、外国人に道聞かれてビビった話がとっても意外だったんですよ(笑)だから辞書片手でもペーパーバックで読んで欲しいな、と(笑)
    映画やドラマのシリーズって、1作目は未知のインパクトがあるので、1作目を超えた作をもつシリーズってあまり経験がないですよ。古いのばかりですがロッキーやスターウォーズ、バックトゥザフューチャー、ミッション・インポッシブルやオーシャンズなんかもそうかなぁ。思いつく大作はみんな1作目が最高傑作な気がします。ジュラシック・パークも最初のが一番好きですよ(*^_^*)

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    1. >ぷしゅ猫さん
      あれね~(笑)いまだにあの場所を通る時、ちょっとドキドキしますよ(笑)

      ぷしゅ猫さんの挙げられた映画のうち、ロッキーだけは未見ですが、他は一作目が最高傑作で異論ありません^^
      ただ、「ターミネーター」だけは二作目がいいなぁ。

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  3. ジュラシックパーク、原作があるんですね(゜゜) そこまで大絶賛とは、読みたくなりますね〜。
    映画はむかしむかし公開当時に見たのみで、面白かった、という漠然とした記憶があるのみです。
    最初の方で恐竜が出てきてたくさんの人が逃げるシーンで、いきなり踏みつぶされて(たぶん)死んだ名も無い登場人物がいたような気がするのですが、映画を見ながら「私はああいう役回りだな」と思った記憶があります。昔すぎて記憶捏造してるかもですが(^_^;)

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    1. >うまんまさん
      たくさんの人が逃げるシーンということは、「2」かもしれないですね~。
      私がジュラシック・パークの世界に入ったら、こちらを襲う気もなく、単に歩いているだけのアパトサウルスに踏まれて死ぬと思います。アリレベルの死です(^◇^;)

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