道産子にこそ食べてもらいたい!エゾシカのお話
突然ですが、皆さん。鹿肉はお好きですか??
我が家は毎年冬になると必ず、鹿肉を食べます。
人間の都合に振り回されるエゾシカ
エゾシカは明治期に乱獲と大雪、開墾による生息地の減少などで、絶滅寸前まで追い込まれました。
しかし戦後個体数は増加に転じ、平成22年には推定65万頭と最大になりました。
夏。野付半島のエゾシカ |
1990年代に個体数が急激に増加しましたが、要因には諸説ありますし、調査精度が上がったためかもしれません。ここでは言及を避けます。
確かなのは、エゾシカが保護対象から一転して個体数調整のため捕獲・処分されるようになった、ということです。
毎年、大量の肉が廃棄されています
農作物の食害、山林の植生被害、交通事故被害を減らすため、毎年10万頭以上のエゾシカが狩猟・捕獲されています。
10万頭。すごい数ですよね。
エゾシカって、身体がとっても大きいんです。
オスは90kg以上、メスでも70kgの巨体です。
道路脇にエゾシカがいたら、ビビります。
「お願いだから飛び出してこないで!」と必死に祈ります。
衝突したらシカは勿論、車も無事ではすみません。
話が逸れました…。
一頭から食用肉は20kg前後とれます。
20kg×10万頭。
途方もない肉の量です。
北海道環境局エゾシカ対策課がすすめる、食肉利用の目標は2万頭だそうです。
10万頭のうち、2万頭です。
つまり、毎年1,600tの食資源が活用されずに処分されているのです。
個体数調整のために殺され、ゴミとして廃棄されるなんて。
…安易に「可哀想」とは言いません。
しかし、「もったいない!」とは強く思うわけです。
道産子は鹿肉を嫌う
北海道では、鹿肉は狩猟免許を持った近所のおじさんに、貰う物でした。
鹿肉の風味は、狩猟と解体の腕次第です。
いかにシカを苦しめず、一撃で仕留めるか。
臭みが出ないよう、上手に血抜きができるかどうか。
ご近所ハンターさんにはこういった技術はありません。
娯楽としてシカを狩猟し、適当に肉の塊に分けて配ります。
子どもの頃に、こういう鹿肉を食べさせられて育った人は「鹿肉は固くて、臭くて嫌い」というのです。
鹿肉の消費量を伸ばすには、道民の鹿肉に対する誤解を解いていく必要もあると思います。
とっても美味しいんです!
カマラード・サッポロ もも肉のロースト |
キチンと処理された鹿肉は、本当に美味しいです。
臭みは全くありません。
脂の少ない赤身肉は、ヘルシーで、柔らかくて、いくらでも食べられる気がします。
ヴァンセット・ケイ もも肉のロースト |
食通の間では「ジビエ」と称して、高級食材扱いされています。
それもやっぱり違う気がするんです。
もっと「地元の食材」として、気軽に消費されるようになってほしいと思います。
今のところ我が家は、レストランでプロの調理した鹿肉をいただいています。
スーパーでエゾシカの生肉が手に入るようになったら、とても嬉しいなぁ。
食品衛生法上の課題が多く、まだまだ時間がかかりそうですが。
最後に。お店のご紹介
ヴァンセット・ケイ
札幌市中央区南3条西9丁目1000-6 イオ南3条ビル1階
011-211-1030
営業時間 18:00 ~ 23:00
ランチ 12:00 ~ 15:00(土日のみ)
ラストオーダー 22:00
定休日 月曜日
今年1月に惜しまれつつ閉店した「カマラード・サッポロ」の合田シェフが、奥様と営まれているフランス料理のお店です。
ヴァンセット・ケイ ディナーメニュー |
鹿肉はモチロンおすすめですが、是非食べていただきたいのが「自家製サルシッチャ」。
自家製サルシッチャ |
肉の旨みがギッシリ詰まっています!
ナイフを入れると、肉汁がジュワ~~^^
幼い頃の鹿肉のトラウマから抜け出せない方も。
食わず嫌いのアナタも。
ヴァンセット・ケイで「鹿肉デビュー」してみてはいかがでしょうか?
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