2018/02/17

鶴居村…いつ行くか?今でしょ!




2/12(月)、ついにあの鳥さんに会って来ましたよ!



この冬一番ホットな話題。それはクロヅルの飛来です。

2017年12月12日付北海道新聞記事


昨年秋ごろ中標津で目撃され、その後鶴居村で越冬をしているとのこと。

他の方のblogでクロヅルさんの写真を拝見し、「いいなぁ~鶴居。いいなぁ~。」と指をくわえておりました。

 クロヅル
ヨーロッパ北部のスカンジナビア半島からシベリア東部のコリマ川周辺にいたるユーラシア大陸で繁殖し、ヨーロッパ南部、アフリカ大陸北東部、インド北部、中国などで越冬する。

日本には、毎冬少数が鹿児島県の出水ツル渡来地に渡来するが、その他の地区ではまれである。過去、鹿児島県のほかには、北海道、茨城県、静岡県、山口県、徳島県、沖縄県本島、および埼玉県、兵庫県、鳥取県、島根県、新潟県佐渡、香川県、福岡県、長崎県、熊本県、それに奄美大島での記録がある。

<Wikipediaより>




クロヅルは、ヨーロッパではメジャーなツルで、学名がラテン語の「ツル」という意味だそうです。

昨日の記事で書いた「ふつうのカモメ」みたいな感じでしょうか。

生息数は20万羽以上で世界でもっとも繁栄しているツルの一種です。タンチョウのおよそ150倍!

渡りはスペインへ向かう西ルートと、中国、インドへ向かう東ルートがあります。日本へ飛来するクロヅルは、東ルートから外れてしまった個体だと思われます。

たった一羽、寒さの厳しい道東で冬を越すことになったクロヅルさん。

どんな風に過ごしているのか、非常に気になります。

今を逃せば二度と会う機会がないかもしれない。…行くっきゃない!



札幌から鶴居村までは片道約300km

AM3時半出発の日帰りツル観察を決行。naoは運転頑張りました!私は…助手席でほぼ寝てました!


十勝平野に入った頃、真っ暗だった空が少しずつ明るくなってきました。

東へ向かう道路ですので、真正面に見事な朝焼けが広がり、すごく綺麗でした。

石狩北部は大雪警報が出ていました。どうやら道東方面は天気が良さそうでホッと一安心です。

十勝平原SAにて


途中、十勝平原SAで朝焼けの撮影を試みましたが、空が明るくなるのはあっという間ですね。

赤みはほとんど抜けてしまって、残念。



湿原の神・サルルンカムイ


8時すぎに鶴居村へ到着。まっすぐ伊藤タンチョウサンクチュアリへ向かいました。

ここは日本野鳥の会が運営する、日本で唯一のタンチョウ保護施設です。


学名:Grus japonensis
「日本のツル」という意味です。

給餌場に着いたとき、タンチョウはまだ数羽しかいませんでした。


アイヌ語で ”サルルンカムイ”
「湿原の神」という意味です。

しかし、9時の給餌に合わせて続々とタンチョウが集まってきました。


着陸態勢。


仲間が飛んでくると、地上のタンチョウたちが騒ぎ始めるので分かります。

二羽~十数羽の単位で、給餌場に向かって2時と8時の方向から飛んできました。

羽ばたかずに下降します。


飛翔するタンチョウは、文句なしにカッコいいです。

着陸態勢に入ると、大きな翼を水平に広げ、風をうまく使って羽ばたかずに高度を下げます。


着地の瞬間。

JAL」って言葉が脳裏に浮かびましたよ^^


とりあえず周りのタンチョウにケンカを売る。


着地すると、地上のタンチョウと一悶着。


仲良く…はしない。

強い個体が弱い個体を給餌場の隅に追いやります。


「あっち行けよ」
「おまえがあっち行けよ」


意外と上下関係に厳しいみたい。


飛び上がって自分を大きく見せようとします。


それとも、餌の量が減らされていることと、何か関係があるんでしょうか?

タンチョウの給餌終了へ 北海道東部、環境省

 環境省は28日、北海道釧路市で開いた国の特別天然記念物タンチョウに関する会議で、北海道東部で実施している給餌事業を将来的に終了する方針を明らかにした。2019年度まで段階的に給餌量を減らし、終了に向けた計画を検討する。
 環境省は、冬場の餌不足を補うため、1984年度から釧路市と鶴居村の3カ所で給餌を実施。個体数は千羽を超え、さらに増加傾向にある。生息域の集中による感染症の発生や、農業被害の拡大が懸念されることから、終了を検討する。
 タンチョウは、北海道が調査を始めた52年度の生息数が33羽で絶滅の危機にあったが、保護活動が実を結び、06年1月の調査で初めて千羽を突破。今年1月の調査では、過去最多の1320羽を記録した。
 15年度から餌の量を減らし始め、来冬は14年度の2割減の約19・93トン。19年度には14年度の半分にする。釧路自然環境事務所の藤井好太郎野生生物課長は「給餌は数を増やすための緊急的な措置。今後は数を維持する方向へ転換する必要がある」と話している。

<2016年7月28日付 産経新聞WEB版>



クロヅル、登場!


naoが見つけました!


8時55分頃、クロヅルが現れました!

着地。


しかし、一羽だ…。

他のタンチョウは、最小グループでも二羽で飛んでくるのに…。


ぽつねん感ハンパない…。

やっぱり、馴染めてないのかな~。

誰もクロヅルに「エサ食いに行こうぜ」って声かけてくれないのかな…。
…(´;ω;`)ブワッ


クロヅルを追いかけるタンチョウ。

あぁっ!しかも着地した瞬間にいじめられている…!


あんな遠くに…。

…ものすごい隅っこに行っちゃった。

なんだか切ない気持ちになってしまいました。

目を付けられないように、そ~っと…。

「やべー。見つかった!」

「退却~」

ジワリジワリと、群れの中央へ歩いてきますが、また追い立てられる。

クロヅルさん、こんな調子で、無事エサにありつけるのでしょうか??



エサやりが始まりました


集まったタンチョウはおよそ170~180羽。素人カウントなので、誤差は目をつぶっていただきたい^^

係の人がデントコーンを撒くと、中央を陣取っていた強い個体が先に食べ始めました。


タンチョウへの餌やりを疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。


日本野鳥の会のHPに、タンチョウが絶滅寸前まで追い込まれた歴史と保護活動の意義について書かれています。ご一読いただければ、幸いです↓

タンチョウ保護の取り組み


細いクチバシで、一粒ずつ食べます。

箸で豆をつまむような繊細な仕草です。


「そろそろいいかな?」

5分ほどたって、クロヅルさんもデントコーンの撒いてあるエリアへ出てきました。


「やったー!朝ご飯♪」

まわりのタンチョウを刺激しないよう、こっそり食べているように見えました。


クロヅルさん、美味しいかい?

食事の時間は短くて、集中して食べているのは5分くらいだったと思います。

あとは、のんびり気が向いたらついばむ、といった感じ。



愛のダンス






おなかが満たされたタンチョウは、ダンスを始めました。


日本国内で唯一繁殖するツルです。


春先に湿原に巣を作り、湿原で子育てをします。


次の繁殖期まで子どもと過ごし、今がちょうど子離れの時期。


次の繁殖期に向けて愛を深めています。


愛のダンスには無関心?のクロヅルさん。


クロヅルさん、やっぱり一人ぼっちだね…。



クロヅルさんも負けてない!


大きさの違いが分かる写真。

お?売られたケンカを買ったぞ!


やられっぱなしに見えたクロヅルさんが、反撃しています。


タンチョウより上に飛び上がります。

こんなに体格差があるのに、やるなぁ。



まとめ



念願のクロヅルさんに会えて嬉しかったです。


頭頂部の赤はタンチョウと形状が違います。
タンチョウの頭頂部。

クロヅルさんは、どんな気持ちでタンチョウの群れの中にいるのでしょうか?


後ろ姿。なんだかセクシーポーズ。


北海道に迷い込んでしまって、タンチョウの群れを見つけた時は、ホッとしたのかな?


クロヅルさん、寒くないのかい?

タンチョウは3月に繁殖が始まります。クロヅルも同じであれば、鶴居村で見られるのもあとわずかの期間といえそうです。


やっぱり寒いよね!片足立ちしてます。

また会いたい気持ちもありますけど、仲間と一緒が一番ですよね。

来年は間違えずにいつもの越冬地へ行くんだよ~。

…その前に、無事に大陸へ戻れますように!

がんばれ、クロヅルさん!




<2018.11.11 追記>

なんと、今年もクロヅルが一羽姿を見せました!!

昨年と同じ個体ではないか…とのこと。


2018/11/7 北海道新聞WEB版より


もしかして、大陸に戻らず湿原で夏を過ごしていたんじゃ…??

なにより、無事で良かったです!



ポチっとよろしく♪

応援ありがとうございます♪

8 件のコメント :

  1. タンチョウ、美しい鳥ですね。やっぱり鳥も、ほっそりしてて色白は最強ですね。
    でもこんなに優雅なのに喧嘩っ早いのね~(゜゜) でも喧嘩シーンすら静止画だと優雅です。
    クロヅルさんは何か間違えてこっちに来ちゃったのかな。ツルののび太ですね(^^)

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    1. >うまんまさん
      タンチョウは美しくてカッコイイ!大好きな鳥さんです。
      餌場で観察したのは初めてで、あんな風に小競り合いするとは知らずビックリしました。
      クロヅルさんが鶴居村で確認されたのは30年ぶりだそうです。
      ウッカリにも程がありますね〜(^^;

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  2. タンチョウヅルの着地する姿、すごくキレイです!求愛のダンスなども、本当に美しいの一言に尽きます。
    クロヅルはタンチョウヅルと比べるとあんなに身体のサイズが違うんだと驚きました。春になったら、無事に仲間の元へ戻れるといいですね。

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    1. >こころさん
      タンチョウの着地シーンは鳥と言うより飛行機でした。
      大きさも、一般的な鳥のサイズと全然違うんですよ~^^
      求愛ダンスは、突然始まります。写真では分かりませんが、ダンスしながら鳴き声を交わしています。
      クロヅルさんの今後は気になりますが、無事を祈るしかないですね~。

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  3. 綺麗!かっこいい!感動しました!!

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    1. >Lunaさん
      ありがとうございます!
      数百枚の写真から、厳選してお送りしました~^^♪

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  4. う~ん、切ない(ノД`)・゜・。
    こういうこともあるんですね。
    クロヅルさんがちゃんとホームに帰れますように(^^♪

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    1. >Taroさん
      ハクチョウ達と間違って渡ってきてしまったという話ですが、それにしても中国と北海道東部…。間違えすぎですよね。
      私も無事に帰れるように祈っています(v_v)

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