【ネタバレ】映画「ポセイドン」はツッコミどころ満載で逆に面白い!
2006年の公開当時、イオンシネマ板橋でnaoと鑑賞した作品。
ゴールデンラズベリー賞の「最低リメイク賞」にノミネートされた、B級パニックムービーです。
鑑賞後はエレベーターに乗るのが怖くなるほど、私たちのトラウマとなりました。
とにかく息苦しい。水怖い。
CSで久しぶりに観たら、ツッコミどころ満載で面白かったのでご紹介^^
ネタバレ全開でいきます!
あらすじ
大晦日の夜、豪華客船「ポセイドン号」には、多くの客が乗り、盛大なパーティーが行われていた。しかし、新年を迎えた直後、ポセイドン号は突如現れた異常波浪による巨大な波の直撃を受け転覆、船内はパニック状態になり、4000人の乗客の多くが一瞬にして命を失う。天地逆転したボール・ルームに残るわずか数百名の生存者たち。
ブラッドフォード船長は、救助が来るまでこの場に止まるよう全員に命じる。しかし、プロのギャンブラー、ディランは留まっていては助からないと自らの直感を信じ、一人脱出を企てる。一方、元消防士で前NY市長のロバートも、ディスコにいる娘ジェニファーを捜すため、ディランに協力し合おうと持ち掛ける。
さらに、シングルマザーのマギー、彼女の息子のコナー、自殺志願の老人ネルソン、ロバートに雇われたウェイターのマルコも彼らに付いていくことにした。今、生き残りをかけた彼らの、引き返すことの出来ない極限の脱出劇が始まった……。
<Wikipediaより>
登場人物
ロバート・ラムジー |
元消防士で前ニューヨーク市長。厳格な父親。
カート・ラッセルで元消防士の設定は、「バック・ドラフト」を思い出します。
ジェニファー・ラムジー |
ロバートの一人娘。口うるさい父親を煙たがっている。
恋人のクリスと常にイチャイチャ。
クリスチャン(クリス) |
ジェニファーの恋人。ジェニファーに巨大なダイヤモンドの指輪を渡してプロポーズした。
どこにでもいそうな若者だが、実はお坊ちゃま??
マギー・ジェームズ |
シングルマザー。船長と同じテーブルでニューイヤー・パーティに参加していたことから、それなりのステータスかコネクションを持っている模様。
コナー・ジェームズ |
マギーの一人息子。クソガキ。
ディラン・ジョーンズ |
プロのギャンブラー。イケメン。
初対面のマギーを口説こうとするが失敗。だが、最後までこの母子の面倒をみることに…。
リチャード・ネルソン |
設計士。乗船前に恋人(男)に振られて自暴自棄になっている。
ゲイの設定がその後のストーリーに全く絡んでこない。
ラリー |
ディランやロバートとポーカーをしていた男。自称「ラッキー・ラリー」。
エレナ・モラリス |
ニューヨークで入院している弟に会うため、ポセイドン号に密航した。
閉所恐怖症。
マルコ・バレンタイン |
ポセイドン号の従業員。たまたまクラブで出会ったエレナに頼まれて、密航の手引きをする。
お人好し。
さて、この中で生き残るのは何人…?
謎の巨大波、襲来
新年を迎え、浮かれきった船内。
操舵室では船員が正体不明の不吉な音を聞きます。
双眼鏡で覗いたそこには、なんと45mという高さの巨大波が迫っていました!
面舵いっぱいで舟を右に傾けようとするも、間に合わず。
横波をまともに受けて転覆 |
船は上下逆さまになってしまいます。
衝撃と火災により、大多数が命を落としました。
船底が海面に出ている状態 |
すぐ近くに救命ボートが浮かんでいますね。これ重要。
生存者はボール・ルームと、その下のディスコフロアにいた人たちだけのようです。
ディスコフロアは転覆の後、浸水した床に電気ケーブルが接触し、ジェニファー、クリス、エレナ、ラリー以外全員感電死。
…なぜかこの4人だけほぼ無傷です。照明器具に足を挟まれ、動けなくなっていたクリス。助け出された直後は女性陣に両脇を抱えられビッコをひいてました。しかし、脅威の回復力ですぐに自力歩行を始めます。
ボール・ルームからの脱出
ディランは船首のプロペラから外に出られると考え、いち早く行動を開始。
それを目ざとく見つけたクソガキ・コナー。
ディランの同意も得ず、「僕たちも一緒に脱出しよう!」と母親に作戦をバラします。
母マギーは「うちの息子に余計な事吹き込んだわね!脱出できるなんて、嘘だと言ってよ!」とディランに逆ギレ。
船長が、ボール・ルームで救助を待つべき、と乗客に通達していたからです。
この母子、死ねば良いのに…。
結局、娘を探したいロバート、道案内役としてロバートに金で雇われたバレンタイン、さっきまで自殺しようしていたはずのネルソンも加わって、6人の大所帯となりました。
エレベーターシャフト
下にはなぜか尖った構造物が待ち受けています。 |
脱出口に選ばれたのは、業務用エレベータの縦穴(シャフト)でした。
絶対上からエレベーター落ちてくるだろ…これ。 |
ホラーやパニック映画では、エレベーターシャフトでハプニングが起こるのは定番ですね。
ネルソンの足につかまるバレンタイン |
案の定、ハシゴが落ちてネルソンとバレンタインが宙づりになります。
一人しか助けられないと考えたディランは、バレンタインを落とすよう、ネルソンに命令。
ネルソンはバレンタインを蹴りつけて落とし、自分だけ助かりました。
…あなた、巨大波が来る直前、自殺しようとしてましたよね??
なぜ今になって生きることに執着し始めたのか…。
合流したエレナとの皮肉な会話… |
エレナの密航を手引きした男が、先程自分が蹴落としたバレンタインと知らず、神妙な顔をするネルソン。
…ここ、笑うところですか?
巨大な吹き抜けのホール
ディスコ組とすんなり合流を果たし、次の難関は吹き抜けのホールです。
上手い具合にエレベーターがハシゴ代わりになっており、向こう側へ渡れそう。
どうしたラリー |
しかし、酔っ払ったラリーが、突然ロバートに絡み出します。
「俺だけは助かるぜ!なんたって、ラッキー・ラリーだからな!」
こういう発言をするヤツは死ぬと決まっているのに…ラリー、無茶しやがって。
謎の落下物の直撃を受け、ラリー退場 |
ボール・ルームの悲劇
一方その頃。
ピシ…ピシ… |
海水ドバー |
多くの人が留まっていたボール・ルームには、水圧に負けてガラスが割れ、大量の海水がなだれ込んできました。
阿鼻叫喚の地獄絵図 |
船長の言葉を信じた人たちは、全員死亡。
「自分で考え、行動した者が生き残る」…ということでしょうか?
パニックムービーですので、このシーンは見せ場であります。
ダクトでパニック(主にエレナ)
ロバート達は排気ダクトを伝って、船底を目指します。
が、密航者エレナが「奥義・閉所恐怖症」を発動!
ダクトに入るくらいなら、ここで死ぬ、という勢いでだだをこね始めます。
ディランの説得にも耳を貸さない |
放っておけばいいものを、ネルソンとディランの連係プレイでエレナをダクトに押し込むことに成功。
ダクトの中で泣くわ喚くわ。…この女、いっぺん殴ったろか。
ダクトの出口にはガッチリとフタ! |
海水がどんどん上がって来て、ディランが今にも溺れそう!
ディラン、エレナのせいで死にかける。 |
ここで役立ったのが、コナーの小さな手と、エレナのネックレス(十字架)なんですよ。何が吉と出るかわかりませんね。
十字架をネジ回しに。 |
バラストタンク
あと二階上がれば目指す船底、というところまで来ました。
次なる試練はバラストタンクです。
ディランは海水を満杯にして、次のエリアへ脱出しようと提案します。
かなり無茶ですよね…。
冷たい水の中で、どれだけ息を止めていられるでしょう。
女性陣は恐怖に顔を引きつらせていますが、問答無用で海水注入!
なかなか開かないバルブに、水中でヤキモキする人々。
緊迫感のあるシーンなのですが、何か滑稽さも感じる…。
バルブが開き、次のエリアへは全員無事移動できました。
しかし…。
エレナの服が水中で引っかかり… |
密航者ゆえ、誰よりもカジュアルな服装だったエレナの服が、運悪く金具に引っかかってしまいます。
もがくうちに頭を負傷したエレナは、気づいて戻ってきたネルソンらに助け出されますが、あえなく息を引き取ります。
なぜエレナがしんがりだったのか…。
冒頭ディスコフロアのエレナ(右) ね?カジュアルでしょ? |
なぜビラビラドレスのマギーは無事で、膝丈スカートのエレナが死ぬのか…。
イケメンを死の淵に追いやった罰でしょうか。せっかくダクトで閉所恐怖症を克服したのに、哀れエレナ。
あ、ちなみにジェニファーは早い段階でドレスのスカートを破り捨て、どっかからパクッてきたジーンズを履いてます。
絶体絶命からの大逆転劇
せっかくたどり着いた船首部分は水没し、頼みの綱だったプロペラも水の中…。
一行はなすすべなく、ここまで強気でリーダーシップを発揮してきたディランにも、初めて絶望の色が見えました。
死を覚悟したロバートはディランにねぎらいの言葉をかけます。
ウルトラC発動! |
しかし、バラスト水が船尾部分に満たされたことで、船首が海面から上がってきました。
これで、プロペラから脱出できる!
…ちょっと角度ありすぎですけど。
ロバート、ジェニファー、クリス、ネルソンは船首へ向かいますが、ディランはマギーとコナーが居ないことに気づき、戻ります。
マギー&コナー母子の大暴走
船尾の浸水で傾いた事により、船首部分の海水に流されてしまったマギー。
コナーはその少し前から姿を消しており、マギーは探していたのでした。
ディランと合流したマギーは、声を頼りにコナーのもとへ向かうのですが…。
金網に分断される母子。あごの下まで水が来てます。
ここでマギーが「大丈夫よ!今、ディランが助けてくれるから!」と言い出してビックリ。
おい、まず自分で何とかしろよ(怒)
潜って出口を探すも「どこにも突破口がない」と報告するディランに対し、「NO!」とダメ出しをするマギー。
そもそも、コナーが一人でチョロチョロしてるから、こんなことになったのに…何なんだこの母子。
ま、ディランの主人公パワーで救出しましたけどね。
プロペラを止めろ!
プロペラ室まで来たけれど、ここでまた問題が発生。
エンジンが動いていて、プロペラが外の空気を吸い込んでいたのです。
この状態でまだ動いてるエンジン、最強。 |
逆回転ならともかく、これではモノをぶつけてプロペラを止めることができません。
ロバートは船首部分の地図を見て、45m先のエンジン制御室へ泳いでいき、エンジンを止めるという作戦を考案します。
ただ泳ぐわけではありません。潜水です。
45mを往復することは、不可能。「エンジン制御室へ行く=死」を意味します。
クリスが「若くて体力のある俺が、一番成功する可能性が高い!俺に行かせてくれ!」と志願。
急に「アルマゲトン」みたいな展開になってきました。
クリスとジェニファーがイチャコラ別れを惜しんでいる間に、ロバートはサッサと制御室へ死のダイブをしてしまったのでした…。
ロバートを待っていたのは… |
マンガみたいにボヨヨ~ンと壊れた緊急停止装置 |
絶望の中、意識を失いつつあるロバートの目に入ったモノ。それは…
逆さまになった面舵・取舵ボタン |
ロバートは最後の力を振り絞り、取舵ボタンを押しました。
脱出!
逆回転し始めたプロペラにボンベをぶつけて停止させ、残った人々は脱出に成功。
ここで、冒頭の転覆シーンでチラッと映っていた救命ボートが使われます。
全く流されずに船のそばにあったのって、スゴいですね。
しかも、照明弾まで用意してあるとは…。 |
照明弾が消えた…瞬間、現れる救助ヘリ!
いくら転覆時に救難信号を発信していたからといって、早すぎるでしょ~。
さて、結局生き残ったのは…。
6人でした |
生存率高いな!
というわけで、B級パニック映画の「ポセイドン」でした。
見所は序盤の転覆シーン、中盤のボール・ルーム浸水シーン、そして、ロバートの溺死シーンです。
人物描写が希薄なのと、基本全員自分のことしか考えてないので、誰にも感情移入できないという問題点がありますが…(^◇^;)
B級と割り切って観れば、それなりに楽しめる作品です^^
クサしながらも熱の入ったレビュー。けっこうお気に入りなんですね(^^) ツッコミが面白かったです。
返信削除映画とか、『この人いらない。さっさと消えて』と思う人ほど生き残りますよね。まあね〜。そういう人がいないと面白い話にならないもんね〜。
昔、元祖ポセイドンアドベンチャーをテレビで見ました。子供心に『こんなに必死に生き残ろうとするよりさっさと死んだ方が楽だ』と思った覚えが… 事故の瞬間を生き延びてしまうと大変ですね。
>うまんまさん
削除好きなんですよ、こういうB級臭のプンプンする映画。製作スタッフはいたって真面目に作っているところも含めて(笑)
冒頭、ポセイドン号の全容をフルCGで見せるシーンがあるんですけど、12年前のCGはかなりショボイ。でも監督は当時ドヤ顔してたんだろうな~(σ゚∀゚)σ
小憎らしいキャラほど生き延びる、そういうもんですよね。良い人ばっかりだとつまんないし。
元祖の方は観たことないんですよ~。転覆した船からの脱出、という大筋以外、登場人物など全くの別物らしいですね。