2018/10/05

全面リニューアルした「夕張市石炭博物館」に行ってきました




北海道の三大ダイヤモンド。

黄色いダイヤ=数の子。

赤いダイヤ=小豆。

黒いダイヤ=石炭。


石炭の塊


かつて石炭の一大産地として栄えた夕張市。


石炭の素となったメタセコイアの木


2007年に財政再建団体となり、今や人口は一万人を割っています。


石炭博物館の外観


そんな夕張市の旧「石炭の歴史村」が、2018年4月にリニューアルオープン。

廃墟の中にぽつねんと佇む「石炭博物館」を見に行きました。


石炭を削るヘッドの部分。モンスターみたい。


この後写真の風景が三段階、変化します。

地上の展示室

地下の展示室

模擬坑道

どんどんディープになっていく様子を楽しんでいただけたら、と思います^^



地上展示室


一階は企画展示室で、内容は変わるみたいです。

一階の企画展示室


私たちが行った時は、国鉄夕張線と夕鉄の歴史についての展示でした。


夕張鉄道の駅舎の写真などが展示されています


北海道に私鉄はない、と思いこんでましたが、実は夕張にあったんですね。

私鉄夕張鉄道は、北炭(北海道炭礦汽船株式会社)が炭鉱の資材や、石炭を輸送するために1926(大正13)年に設立、開業しました。北海道で最初にディーゼル車を導入したのも夕張鉄道なんです。
しかし私たちが生まれる前、1975年3月に全線廃止となっています。

ボクは母親のお腹の中でした

そんなわけで私たちは、夕張の全盛期を全く知りません。夕張の人口がピークを迎えた1964年、父親もまだ小学生です。

でも何となく夕張にノスタルジーを感じるのは、「バリバリ夕張」のCMのおかげかもしれない。



二階は常設展示室です。


奥の方に「バリバリ夕張」の文字。見えるかな?


パネルの裏表に文字が。読み応えありすぎ!


パネルにギッシリ字が書いてあって、じっくり読みたいんだけど、時間がすごい勢いで吸い取られる…!

床には昔の航空写真が。山奥まで炭鉱長屋がビッシリ建ち並ぶ様を見て、naoが感動していました。


夕張の人が実際に使っていたであろう日用品の数々

時計類も住民の寄贈かな?
柱時計がいい音出してました。

名残惜しいが、このままだと地下展示室を見学する時間がなくなる!急げ~。



地下展示室


キタ━━━━≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━!!!!


まずは何と言ってもこの昭和なエレベーターです!

いやー懐かしい!


ワクワクが止まらない!


私は社会人になってから一度来たことがあります。大人でも楽しいエレベーター。

展示室は小綺麗になりましたが、ここは昔のままで嬉しかった。

naoは子供の時に、このエレベーターに乗り、「これから皆さまを地下1,000mの世界へご案内いたします…」というアナウンスを真に受けて大興奮だったそうです^^

母親に「そんなわけないでしょ」って冷たく言われたっけ


ここから地下展示室


手掘りだった明治から大正初期の頃。
これは大変な重労働だ。


炭鉱で働く人たちを、人形が再現してくれてます。


ランプの煤をぬぐう女工さん達。
夜は活版見に行くんだ~って、ワイワイおしゃべりしてました。


ボタンを押すと大音量で喋り出します。

わざとらしいくらい訛ってるんだけど、昔の人はホントにこんなに訛ってたのかな?


通気を管理していた戸番の女坑夫。
地味だけどすごい重要な役目よね。

手掘りだった明治・大正時代に始まり、徐々に機械化されていく採掘行程を見学できます。

たくさん写真撮ったけど、あとは現地に行った時のお楽しみ…ということで、割愛(笑)

なので、急に近代化するよ!↓


巨大な採掘マシンが動き出す…!

最後の方に、一箇所だけボタンじゃなくセンサーで動く装置があって、これがビビリポイントです。音デカイし、なまらビビリます。



模擬坑道


石炭博物館のメインイベントにして大トリ。

「ここからは火気厳禁だぞ」と、小指のないおじさんが言った(気がする)


今は階段になってるけど、昔はトロッコで坑道へ向かったのですね。

坑道入口


実際に使われていた坑道を歩きます。

ちなみに、ここの博物館はちょっと変わっていて、入り口と出口がまったく別なんです。


面白い造りですよね。

雰囲気伝わるかな~?
かなりヒンヤリしてます。


昔来た時はもっと暗くて寒くて、上から結露水だか地下水だかが滴り落ちてくるような所だったはず…(曖昧な記憶)。


どんどん下がっていくよ。
でも地下1,000mではない。


模擬坑道もだいぶ綺麗に整備された感じ。


機械の先に見えるのが、本物の石炭層です。

配線すごいね。
全部に説明札がついてました。


この坑道を見て皆さんはどんなことを感じますか?


出口


私は、仮にエネルギー革命が起きなくても、遅かれ早かれ夕張炭鉱の経営は成り立たなくなっただろう…と思いました。

坑道を掘って、石炭を採掘する方法ではリスク・コスト共に高く、露天掘りの海外炭とは競争になりません。


(↑オーストラリアのバルガ炭鉱。皆さんのお家の電気も、もしかしたらここの石炭を燃やして作られているのかも…)


石炭が日常生活から消えて久しく、過去の産物のように思われる方もいらっしゃるでしょう。

でも実は、今でも火力発電や鉄鋼業に必要不可欠な燃料なんです。



石炭輸送船「新札幌丸」

9/6の「北海道ブラックアウト」で一躍全国にその名を知られた「苫東厚真火力発電所」。ここで使われているのは海外(主にオーストラリア)から輸入された石炭です。


石炭の大露頭。
先程の坑道でみた石炭層が地表に現れたもの。


日本の炭鉱は、石炭層が薄く、しかも斜めに傾いているため、露天掘りには不向きなんだとか。


炭坑夫の像。
当時の苦労に思いをはせる。


石炭の需要はあるのになぁ…。質・価格ともに時代のニーズにマッチしなくなってしまった。

時代の波に翻弄され、取り残されてしまった坑道を歩いていると、なんだか切ない気持ちになりました。



おまけ


水上レストランだったもの

naoは水上レストラン(の廃墟)に大興奮。


石炭博物館側から見た水上レストラン


父方の親戚が夕張の炭鉱マンで、子供の頃、連れて来てもらったそう。

レストランの食事は高くて食べさせてもらえなかったけど、池の鯉にエサをやったんだよね。楽しかったなぁ。

池の鯉はどうなったんでしょうね…。



↓北海道にも、実は小規模ながら露天掘りの炭鉱があるんです。


↓夕張の命運をかけた一大プロジェクト。これ、結局テストは成功したんでしょうか??


夕張がバリバリだった頃が良く分かる動画↓



大人も子供も笑顔で、楽しそう♪

炭鉱って3Kな職場の代表格みたいに思ってましたけど、働いている人は皆イキイキしてたんだなぁ。

良い動画です。お暇な時にどうぞ!




夕張へ行く途中の青看板。

「美流渡」の文字がありますね^^

うちの猫の名前です♪



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2 件のコメント :

  1. 1階、2階は明るくて現代的な展示なのに、地下でいきなり様相が変わるんですね。
    この手の人形展示、怖いですよね。一人で開館前の掃除とか絶対にしたくない。みんなこっち見てるよ〜ぅヽ(;▽;)ノ

    ミルト君の美流渡!知らなかったら地名とは思わないですね。
    響きがキレイだから、「美流斗」みたいな名前の子どもいそうです( *^艸^)

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    1. >うまんまさん
      マネキン、良い味出してるでしょ~(o´艸`)
      夜中に絶対動いてると思う!
      私はこの「怖面白い」感じ、けっこう好きです♪

      ミルトの名前の由来、実はこんな漢字を使ってるんです。
      美流渡にも、昔炭鉱用鉄道が走っていたのですが、いまはのどかな田園地帯となっております。

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