2018/01/18

にょっ記/にょにょっ記/にょにょにょっ記




べつにふざけているわけではありません。本のタイトルです(ただし三連コンボ)。
読んだ本のレビュー記事でございます。

著者は穂村弘さん。

ブロガーのうまんまさんに、ご紹介いただいた作家さんです。

 あわせて読みたい 

白黒ニャンコのりんちゃんと、りんちゃんを溺愛するうまんまさんの日常が、楽しく綴られています。猫好きさんは必見ですよ!


今回は作品名ではなく、作家さんのお名前だけを教えていただいたので、本は自分で選びました。

なんといっても、タイトルにインパクトがありますでしょう?

『にょっ記』
『にょにょっ記』
『にょにょにょっ記』

ですもの。これは三作続けて読むべき!と思いましたね。

タイトルの文字がね、また凝っていまして。




数字が組み合わさっているんですね。

隠された暗号かもしれません。



本業は歌人、なんですって。

『にょっ記』シリーズは日記風に書かれています。「日記」と「ニョッキ」を掛け合わせて、『にょっ記』。

4月1日から始まって、3月31日で終わります。

フジモトマサルさんの挿絵が、ほどよいスパイスを効かせています。

イラストは、人間と二足歩行の動物が共存する独特の世界観です。三作目の『にょにょにょっ記』は共著となりました。

内容は実際に穂村さんが体験したことに基づいている、と思われるもの、妄想風味、事実なのか創作なのか分からないものが混在しています。

時に生々しく、時にファンタジー調に、ひとり言のように文章が綴られます。



10月26日 人工衛星

人工衛星が落ちてくるらしい。
打ち上げた国がなんだか堂々と発表している。
 ええ、落ちますよ。
 でも、人間にぶつかる可能性はとても少ないです。
 まして、「あなた」に当たる確率ときたら、そりゃもう。
 ははは。
 え、知りたいですか、確率。
 ほんと低いですよ。
 宝くじに当たる方がずっと簡単。
 それでも気になるって。
 自意識過剰だなあ。
 ま、どうしても知りたいなら教えてあげますけどね。
 難しい計算だから「あなた」にわかるかなあ。
と云われているような気がする。
感じ悪いなあ。
ごめんなさいは?

『にょにょにょっ記』より




クスッと笑える時もあるけれど、笑いを提供するために書かれたわけではなくて…これは、何というか、「気づき」の本なのかな~、と思います。



10月7日 裏

鏡で舌の裏をみる。
うっ、となる。
何か、気持ち悪い。
濡れた配線みたいなのがごちゃごちゃ。
これで合っているんだろうか。
判断できない。
正しい舌の裏というものがわからないから。

『にょにょにょっ記』より




たとえば子どもが道端に座り込んで、ジ~ッと、アリの行列を見ている。

大人の目には、何の変哲もないアスファルトの道路でも、子どもにとっては、この世界の「面白い」がギュッとつまっている場所に見える。

穂村さんの視点は、そういう子どもの姿をどことなく連想させます。

社会的には「無意味」と切り捨てられてしまいそうなもの。

切り捨てる以前に、気づいてさえもらえないもの。

そういうものを拾い上げるのが上手な人です。

あ、童心を取り戻せ、とかそういうんじゃないですよ。



3月21日 講談社

講談社に行く。
講談社は有楽町線の護国寺駅の真上にあった。
あれっ? と思う。
前に行ったときは、駅から数百メートルほど歩いたのに。
不思議だ。
打ち合わせの席で「以前は駅からもうちょっと離れてましたよね?」と訊くと、「いや、うちはずっとこの場所ですよ」と編集さんは怪訝そうだった。
と云うことは、と思う。
社員にも気づかれないうちに場所が変わっていたのか。
真夜中に、ずずずずっ、ずずずずずずっ、と移動する講談社を想像する。

『にょにょっ記』より



フツーなら「別の会社と間違えたかな?」ってなるところを、「社員にも気づかれないうちに場所が変わっていたのか。」と言い切っちゃう。

そんなわけないだろう、と思う反面、真夜中に人知れず移動する講談社、の方が楽しいよな、とも思う。

穂村さんの言葉を通して、世界をほんのちょっとずらして見る、という感じ。

だから、穂村さんが切り取って、「ほら」って投げてよこすものは、人によってはガラクタに見えるかもしれない。

それはそれで、間違ってはないんです。

世界の見方は、人によって違うから。


世界は、こんなにもヘンテコで、面白いんだよ。

世界が面白く見えるかどうかは自分次第なんだよ、って言われているような気がします。



11月4日 猫

散歩の途中で何匹も猫をみかける。
遠くからは猫に見えても近づくと意外に大きくて虎、っていうのが混ざってたら、こんなに気楽に散歩なんてできないだろうな、と思う。
ローソンやデニーズに行くのも命懸けだ。
今日のはみんな近づいても猫だった。

『にょっ記』より



こんな人におすすめ



①毎日、おなじことの繰り返しで退屈だな~って思っている人。

②歳を重ねて、世の中の「許せないこと」が増えてきた人。

③他人の日記を読むのが好きな人。



『にょっ記』シリーズには、単調な日々を変える視点を得る、凝り固まった心を解きほぐす、そんな効果がありますよ。

夜寝る前に読むと、ヘンテコな夢が見られるかもしれません。




挿絵のクマ(?)が出てきたりして^^






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